2011年7月14日木曜日

シングルライフを考える

少子高齢化・ライフスタイルの多様化に加え離婚、死別など様々な事情から、男女問わず、
「シングルライフ」を送る人が増えています。

誰もがいつかは一人で暮らすことになるかもしれないという視点で、
「シングルライフを送る人=おひとりさま」として、安心して暮らすにはどうしたらよいか、
又やがて訪れる老後への備えはどうしたらよいか等を考えてみたいと思います。

第1回

実態と課題

シングルライフを送る人は「未婚者」だけではありません、生涯独身(生涯未婚男女)だが親兄弟と暮らすなど一人暮らしとは限らない人達、配偶者と死別あるいは離婚し一人暮らしをしている男女(別居の子供がいる場合もある)と考えると、自分には縁が無い話とは誰もが言えないことだというのが解ります。

実際の統計で実態をみてみると、

50歳時点で結婚したことのない人の割合は最新の調査で、(生涯未婚率)

男性が15.96%  女性が7.25%となっており、高齢男性の約6人に1人は子供も配偶者もいないことになります。

また、2005年の国勢調査によれば、

65歳以上の一人暮らし世帯は386万世帯であり、
一人暮らし高齢者の内65歳以上人口に占める割合は男性が9.7%・女性が19.0%であり、

高齢男性の約10人に1人、高齢女性の約5人に1人が一人暮らしということになります。

さらに夫婦のみ高齢世帯も、配偶者と死別すれば一人暮らしになる可能性が高い。

今後の予想として「国立社会保障・人口問題研究所」の2009年の推計によれば、

2030年には65歳以上の一人暮らしは717万世帯に倍増するという。
65歳以上の夫婦のみ世帯も、465万世帯(2005年統計)から569万世帯に増加する。

これを割合でみると、2030年には日本全体の一般世帯のうち26.3%、4世帯に1世帯が、
一人暮らし高齢者か、その予備軍である夫婦のみ世帯となります。

30年前の統計と比べてみると、三世代同居が44.8%であるのに対し、現在は17.5%に
すぎず、この30年で急速に、一人暮らしあるいは夫婦のみの世帯が増加したことが解ります。

長らく「高齢者」が自立できなったときのケアや援助を担うのは「家族」の役割と考えられてきましたが、2000年に介護保険が導入され「介護の外部化」が進みつつはありますが、それでも家族介護
がまだまだ主流。

しかしながら、「平成19年国民生活基礎調査」によれば、

一人暮らしの世帯では「要介護者」がいる割合は、夫婦のみの世帯や三世代同居世帯と比べ
明らかに少ない。

一人暮らし世帯は介護が必要になると、衣食住さえままならなくなるので、早めに施設へ入居
するしかない、一方家族がいれば「身の回りの世話」は家族が行い、身体介護をプロに任せる
という役割分担ができるので、要介護度が高くても住み慣れた自宅で過ごせることが多い。

次回は終末期医療について、